高齢者や子どもの死亡事故における慰謝料の相場
高齢者や子供も大切な家族であり、万が一死亡事故に遭った時には大変な苦痛を味わうことになってしまいます。
せめて十分な額の慰謝料を受け取ることにより、故人に対する慰めとしたいところですが、働き盛りの人物に比べて余命が少ない高齢者や、この先長い人生を生きたであろう子供に対する慰謝料額は、どのように考えられているのでしょうか。
ここでは、高齢者や子どもが死亡した場合の適切な慰謝料額について解説します。
保険会社との交渉は四十九日を過ぎてから行われる
死亡事故は即座に損害賠償額が算定され示談交渉に入ります。
一般的には四十九日を過ぎた頃を目安として保険会社から示談の提示が行われ、具体的な内容について交渉が開始します。
被害者は死亡しているため、保険金受け取りの権利を持つ法定相続人が交渉の役を担うことになりますから、戸籍謄本等で自分の請求権をきちんと確認しておく必要があります。
高齢者が死亡した場合の慰謝料相場
弁護士会には死亡事故算定基準があり、以下のように分類されています。
- 一家の支柱
- 母親や配偶者
- その他(独身者、高齢者、子供)
慰謝料決定の重要要素となるのは死亡者の年齢そのものではなく、家庭内でどのような役割を負っていたか、経済活動としてどのように寄与していたか等が考慮されています。
一家の支柱たる人物が死亡した場合は2,500万円程度が相当とされていますが、高齢者の場合が2,000万円程度であるのはそのためです。
ただし、高齢者であっても家庭生活の柱となっていた事実があった場合は、その点が考慮されることになります。高齢でも一家の支柱となっていたり、家事全般を引き受けていたりするようなケースがこれにあたります。
従って、高齢者の死亡慰謝料を増額するためには、家庭内でいかに重要な役割を担っていたかを客観的に立証する必要が出てくるのです。
なお、高齢者は注意力が衰えてくることから、保険会社から過失を指摘される場合があります。
特に本人が認知症を患っていたようなケースでは、慎重に交渉を進める必要がありますので、弁護士に依頼し法的に正当な主張を行って、できるだけ有利な慰謝料額を獲得すべきでしょう。
子供が死亡した場合の慰謝料相場
子供は、主に父親のような生計維持能力を持っておらず、母親のように家事育児を担っているわけでもありません。従って、家庭において果たしている役割は大きくないと判断され、父母の立場にある人よりも少ない2,000万円程度が相当だと考えられています。
また、高齢者か子供かを問わず本人が死亡した場合、自賠責保険では死亡者本人に対する慰謝料の他に遺族に対する慰謝料が支払われることになっており、仮に子供が死亡した場合に両親が受け取ることができる慰謝料額は以下の通りと決められています。
子を亡くした父母に対する慰謝料額
請求権利を持つ者が1人の場合は550万円、2人の場合は650万円、3人の場合は750万円
未来ある子供を奪われたことによる親の精神的苦痛は計り知れるものではありませんが、弁護士の手を借りできるだけ事情を加味してもらった上で、裁判所基準で十分な額を獲得することが重要です。
重大事故の経験豊かな当事務所へ速やかなご相談を
死亡事故は、家族を含む近親者や周囲の人々に与える影響が非常に大きい深刻な出来事です。亡くなった本人だけの問題ではなく、故人と関わりのあった全ての人が、程度が違っても精神的な苦痛を被っています。
それにも関わらず、保険会社から提示される示談金は非常に一方的であることが多く、被害者側の状況を十分に考慮したものとはなりにくい傾向があります。
重大事故は賠償金が大きくなりますから、弁護士に依頼すれば増額分を大幅にアップさせることも可能になってきます。
例えば、本来なら3,000〜4,000 万円を受け取れるような事故でも、弁護士に依頼しなければ1,000 万円前後を提示され合意してしまう場合があります。
人生に及ぼす影響が非常に大きな事故なのに、弁護士に依頼しないと適正な慰謝料をもらえなくなる可能性が高いのです。こういった面で後悔しないためにも、弁護士に依頼して適切な賠償金を獲得すべきでしょう。
死亡事故で精神的に混乱する中、相手方との交渉は非常に大きなプレッシャーとなりますから、わからないことや不安になることはすぐ弁護士に相談してください。
二人三脚で適切な対応を行い、必要なことは弁護士に任せ、最も辛い時を乗り越えるためにも早めのご相談をお待ちしています。